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さすらいの天才不良文学中年

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噂の子猫殺し 犬の魅力

噂の子猫殺し

 「タヒチ在住の直木賞作家が、生まれたばかりの子猫をがけ下に投げては殺している」という記事が波紋を呼んでいる。全文(日経8月18日付夕刊)を読まないで意見を言うのもおかしいので、遅れ馳せながら目を通してみた。


子猫殺し


 既に他のブログでも非難されているようだが、おいらの読後感を述べる。

 結論から言えば、坂東眞砂子さんの世界の中では理屈が通っている。「猫に不妊手術を施して子種を殺すか、出来た子を殺すかの差」としているからである。例えば、猫を人に置き換えた場合、本人の同意なくして不妊手術させられるのと、生れた子供を殺すのとどう違うのか(生まれたばかりの子供を殺す方がまだまし)という理屈である。

 しかし、と思うのである。それは飼い主にとっての論理である。猫に不妊手術をしたくなければ、子猫が生まれるだけである。生まれた子猫が育てられなければ、別に殺さなくても、野良猫にするという方法も含め、子猫が生きる方法は他にもある。少なくとも、飼い主が生を受けたものを殺す権利はない。

 つまり、不妊手術をすることと子猫を殺すことは二者択一ではなく、本来、次元の違う話しなのである。坂東さんの理論は、そこがねじれている。しかし、彼女はレトリックの能力に優れ、何時の間にかねじれを感じさせない凄みがある。恐らく、彼女の小説もそれで成り立っているのだろう。そこが、彼女の小説の魅力であり、読者に受ける秘密なのだろう。

 だが、現実の世界に戻れば、話しは全く違う。結局、坂東さんが身勝手なだけである、と言われても仕方がない。


日本犬の魅力

 犬好きである。


西郷南州


 愚妻が大の犬好きであることから、何時の間にかおいらも感化されてしまった。

 犬を飼いたいと思うのだが、現在は遠距離介護の身でもあるので、物理的に犬を飼うのが難儀である。だが、いずれは犬を飼おうと思っている。

 では、犬種は何にするか。

 やはり、日本犬だろう。

 実は、最近知ったことなのだが、「日本犬」は一時期、絶滅の危機に陥ったのだという。

 古くは、明治の文明開化で洋犬が日本に入ることになり、日本犬との交雑が進んだのだという。また、昔からの各地方における猟犬としての血統が経年とともに希薄化したのだともいう。

 日本人がその日本犬の尊さに気付いたのは、大正から昭和の初期にかけてのことであった。中犬ハチ公(大館犬=秋田犬)に見られるように、飼い主との絆を大切にするという日本犬の気質に気付いたのである。日本犬は、洋犬のように誰にでもなつく性格とは異なっているようだ。

 そこで、絶滅寸前であった秋田犬のほかに、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬などが天然記念物の指定を受けることになり、日本犬の保存運動が始まったのである。だが、太平洋戦争の食糧難などによって、残念なことに越の犬(こしのいぬ=新潟、北陸犬)や高安犬(こうやすけん=山県犬)などは絶滅している。

 戦後、再び日本犬ブームが生まれるのだが、それは進駐軍の間で秋田犬が人気となり、多くの秋田犬が海外に渡ったからだという。

 海外でも飼い主との絆を大切にするという日本犬は、尊ばれるのである。

 そうだ、飼うのなら日本犬にしよう。

(なお、保健所で処分される犬が多いと云う話しを聞くと胸が痛む。飼うなら保健所でそういう犬を引きりたいと思っている。このことに関しては、項を改める。)




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